助成金を的確に受給していくには
厚生労働省所管の雇用関係助成金は、受給要件さえ満たせばかなりの確率で受給できます。 しかし、そのためにはしっかりとした事前準備が必要となりますので、助成金申請時に気を付けなければいけないポイントをご紹介致します。
@人を雇用する前から計画する
会社にとって人を雇用するということは、とても高い買い物となります。人口減少により採用難が続く見通しとはいえ、最初から背伸びして過度に好待遇にしてしまうと、経営を圧迫してしまいます。
しかし、いずれは労働環境を改善していかないと、優秀な人が入ってこなかったり、せっかく育った人材を流出させてしまうことにつながります。
そこで利用したいのが助成金です。助成金を上手に活用しながら、自社の労働環境を少しずつ改善させていきましょう。
助成金の制度変更などにより、思ったように受給要件を満たせなくなることもありますが、基本的には人を雇用する前からいつ、どのような助成金を利用しながら、労働環境を改善するか計画しておくことがとても重要です。
A期日をしっかり守ること
助成金には申請期日があります。どの助成金を選択して、どのように活用するのかを予め計画して届出るところから始まり、就業規則の改訂、取組みの実施、支給申請と続きます。この一連の流れは、ほとんどの助成金で共通です。
就業規則の改訂と取組みの実施の順番が前後したり、期日に間に合わなかったりすると、それだけで申請することができません。
日々の業務に追われているうちに、気づけば申請期日を過ぎていた、ということが無いようにスケジュール管理には細心の注意を払いましょう。
B情報収集をまめに行うこと
助成金の種類はとても多く、雇用関係助成金だけでも60種類以上あります。年度替わりの4月に大幅変更することが多いのですが、年度途中で申請基準が変更になることもよくあります。
少し前まで目立たなかった助成金も、年度途中で支給額が大幅に上がり、一気に申請が殺到するということもあります。助成金セミナーや、助成金に強い社労士からの情報をまめに集めましょう。
また、それぞれの助成金の趣旨をよく理解することも重要です。なぜならば、行政としては助成金を支給する代わりに達成してほしい目的があるからです。
労働環境の改善や、労働条件の向上など、具体的にどういうことを達成してほしいのかをよく理解してから申請を行うことで、手続きがスムーズになり受給確率も格段に向上します。
C法令をしっかりまもること
国から支給されるお金ですので、当然のことながら、法令を守っていなければ助成金は受給できません。また受給した後でもハローワーク、労働局、会計検査員などから調査を受けることがあります。
近年はその調査の頻度が高くなってきています。申請書類の控えを保存していない、申請内容が事実と異なっている、導入した制度をきちんと運用していない、などの事実が発覚した場合は、ペナルティを受けることになります。
助成金の返還命令が下るばかりか、当面新たな助成金申請ができなくなります。また、悪質な不正受給だと判断された場合は、企業名や代表者名の公表、詐欺容疑などでの送検までありますので、十分に注意してください。
D社労士に依頼すること
自社が利用できる助成金を、もれなく受給するためには、やはり助成金申請に強い社労士に依頼することをお勧めいたします。
助成金申請に慣れていないと、一種類の助成金を申請するだけでもかなり大変です。さらに複数の助成金を活用するとなると、書類の準備、スケジュールの管理、就業規則の変更による影響の把握などが、格段に複雑になってきます。
それらすべてを社労士に依頼すれば時間や労力を割かずに済み、複数の助成金をスムーズに活用出来るため、最大限の受給金額を最速で受給出来るようになります。
そこで、重要になるのが社労士の選定方法です。なぜならば、すべての社労士が助成金申請を得意としているわけでは無いからです。
助成金の情報を積極的に発信していなかったり、情報が古かったり、助成金の受給が悪いことのようにお話される社労士の方は、ご依頼は控えた方が賢明です。
助成金を活用するということは、労働条件や労働環境を良くしていく取組みですので、助成金制度というものを正しく理解し、日頃の情報収集や情報発信を怠らない社労士を選定するようお勧めいたします。
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